飲食店の売上を管理するために、日報をつけていますか。 「毎日書いているけれど、ただ記録するだけで終わっている」 「そもそも何を書けばいいのか、項目が定まっていない」 個人で飲食店を経営されているオーナーや店長様から、この […]
飲食店の営業日報の正しい書き方|必須項目と活用のコツを解説
2025/09/02
飲食店の売上を管理するために、日報をつけていますか。
「毎日書いているけれど、ただ記録するだけで終わっている」
「そもそも何を書けばいいのか、項目が定まっていない」
個人で飲食店を経営されているオーナーや店長様から、このようなお悩みをよく伺います。
日々の業務に追われる中で、日報作成が負担になっているケースは少なくありません。
しかし、正しい書き方で日報を作成し、適切に活用すれば、それは経営状況を可視化し、売上を向上させるための強力な武器になります。
この記事では、飲食店の売上日報の目的から、すぐに実践できる具体的な書き方、そしてデータを経営改善に活かすためのコツまでを網羅的に解説します。
さらに、Excelの活用法や、日報作成を劇的に効率化するツールもご紹介します。
この記事を読めば、面倒な作業だった日報が、お店の未来を創るための「宝の地図」に変わるはずです。
飲食店の営業日報とは?基本の役割を理解しよう
飲食店の営業日報は、単にその日の売上を記録するだけのものではありません。
日々の店舗運営の状況を数字と事実で正確に把握し、未来の経営戦略を立てるための重要な基礎資料です。
どんぶり勘定の経営から脱却し、データに基づいた意思決定を行うための第一歩と言えるでしょう。
営業日報の目的と重要性
営業日報を作成する主な目的は、経営状況を正確に「見える化」することにあります。
日々の売上や客数、費用などを記録し続けることで、お店の現状を客観的に把握できます。
これにより、勘や経験だけに頼らない、根拠のある経営判断が可能になるのです 。
また、課題の早期発見にも繋がります。
例えば、客単価が徐々に下がっている、特定の曜日の売上が落ち込んでいるといった変化にいち早く気づき、原因を分析して対策を打つことができます。
営業日報の主な目的 | 具体的なアクション |
---|---|
経営状況の可視化 | 売上、客数、客単価などの基本指標を毎日把握し、変動要因を特定する |
課題の早期発見 | データから潜在的な問題点を見つけ出し、迅速な改善策を検討する |
施策の効果測定 | キャンペーンなどの効果を客観的に評価し、費用対効果を判断する |
情報共有と意識改革 | スタッフ間で目標や課題を共有し、チーム全体のパフォーマンスを向上させる |
営業日報をつけることで得られるメリット
営業日報を継続してつけることには、多くのメリットがあります。
日々の記録が貴重なデータとして蓄積され、多角的な分析を可能にします。
その結果、店舗運営の質を大きく向上させることができます。
最大のメリットは、データに基づいた具体的な改善策を立てられる点です。
どのメニューが売れ筋で、どの時間帯に客足が伸びるのかを把握することで、より効果的な販売戦略や人員配置が実現します 。
メリット | 詳細 |
---|---|
データに基づく経営判断 | 勘や経験だけでなく、客観的なデータを用いて戦略を立てられる |
商品開発や改善 | 人気メニューや不人気メニューを把握し、メニュー改訂の参考にできる |
スタッフのスキル向上 | 日報の共有を通じて、成功事例や改善点を学び、接客スキルなどを高められる |
コスト管理の徹底 | FLコスト(食材費・人件費)を日次で把握し、無駄を削減できる |
モチベーション向上 | 目標達成度を日々確認でき、スタッフのモチベーション維持につながる |
営業日報の正しい書き方と必須項目
効果的な営業日報を作成するためには、記載すべき項目を押さえることが重要です。
ここでは、どのような飲食店でも共通して記録すべき必須項目とその書き方を解説します。
これらの項目を網羅することで、日報が分析に役立つ価値あるデータに変わります。
日付・曜日・天気など外部要因の記録
日報の基本情報として、日付と曜日は必ず記載しましょう。
これに加えて、その日の天気や周辺でのイベント情報なども記録することが重要です。
飲食店の売上は、天候や外部の出来事に大きく影響されるためです。
例えば、「雨の日は客足が遠のくが、出前の注文が増える」「近隣でイベントがあると、ランチタイムの売上が伸びる」といった傾向を把握できます。
これらのデータは、将来の売上予測や仕入れ量の調整に役立ちます。
売上合計・決済方法別の記録方法
その日の売上合計はもちろん、決済方法別に分けて記録することがポイントです。
現金、クレジットカード、電子マネー、その他(QRコード決済など)の内訳を把握しましょう。
これにより、キャッシュレス決済の手数料コストを正確に把握できるほか、顧客層の分析にも繋がります。
決済方法 | 記録する理由 |
---|---|
現金 | 現金の流れを把握し、レジ締め作業の正確性を担保する |
クレジットカード | 利用者の多いカードブランドを把握し、顧客層を分析する |
電子マネー・QR決済 | キャッシュレス決済比率を把握し、手数料コストを管理する |
来客数・客単価を記録する理由
売上は「客数 × 客単価」で構成されるため、この2つの指標は売上と同じくらい重要です。
来客数を記録することで、時間帯ごとの混雑状況や曜日の傾向がわかります。
客単価を計算することで、顧客一人あたりの平均的な利用金額を把握できます 。
もし売上が落ちている場合、その原因が「客数が減った」ことなのか、「客単価が下がった」ことなのかを特定できます。
原因がわかれば、「新規顧客向けのキャンペーンを打つ」「セットメニューをおすすめして客単価を上げる」といった具体的な対策を立てやすくなります。
特記事項を残して分析につなげる
数字データだけではわからない、その日の出来事を記録する「特記事項」欄は非常に重要です。
スタッフが気づいたことやお客様からのご意見、発生したトラブルなどを具体的に書き残しましょう。
この定性的な情報が、数字の背景にある理由を解き明かすヒントになります。
項目 | 良い記録例 | 悪い記録例 |
---|---|---|
お客様からの声 | 「常連の〇〇様から、新メニューのパスタが美味しいとお褒めの言葉をいただいた」 | 「褒められた」 |
クレーム | 「Aテーブルのお客様より、提供が遅いとご指摘あり。原因はオーダーミス。〇〇が謝罪し対応」 | 「クレームがあった」 |
スタッフの気づき | 「雨の日は温かいスープの注文が多かった。セットメニューに加えると良さそう」 | 「忙しかった」 |
トラブル | 「19時頃、レジのシステムが一時フリーズ。5分後に復旧したが、数名のお客様をお待たせしてしまった」 | 「レジが壊れた」 |
実際に使える営業日報フォーマット例
「必須項目はわかったけれど、一から作るのは大変」という方のために、すぐに使えるフォーマット例をご紹介します。
手書きでシンプルに始めたい方から、Excelで効率的に管理したい方まで、お店のスタイルに合わせて活用してください。
テンプレートを元に、自店に必要な項目を追加・削除してカスタマイズするのがおすすめです。
手書きで使えるシンプルなフォーマット
まずは紙とペンで気軽に始めたい、という方向けのシンプルなフォーマットです。
閉店後の短時間で書き終えられるよう、項目を最小限に絞っています。
このフォーマットを印刷して、バインダーに綴じていくだけで、立派な経営資料になります。
飲食店 営業日報 | |||
---|---|---|---|
日付 | 2024年 12月 3日 | 曜日 | 火曜日 |
天気 | 晴れ | 担当者 | 鈴木 |
売上合計 | 152,000 円 | 客数 | 65 人 |
客単価 | 2,338 円 | ||
売上内訳 | 現金 | 78,000 円 | |
カード | 54,000 円 | ||
電子マネー他 | 20,000 円 | ||
特記事項・気づき | ・ランチタイムは団体予約で満席。 | ||
・ディナー帯、新メニューの注文が伸び悩んでいる。理由の分析が必要。 | |||
・常連の〇〇様より、接客についてお褒めの言葉をいただいた。 |
Excel・スプレッドシートでの管理方法
パソコンでの管理に抵抗がない場合は、ExcelやGoogleスプレッドシートの活用がおすすめです。
計算式をあらかじめ入力しておくことで、売上合計や客単価などを自動で計算してくれます。
また、データをグラフ化しやすく、月次や年次での分析も簡単に行えるのが大きなメリットです。
多くのウェブサイトで無料のテンプレートが配布されています。
まずはそうしたテンプレートをダウンロードして使ってみて、自店に合わせてカスタマイズしていくと良いでしょう。
営業日報テンプレートを活用するコツ
テンプレートはあくまで雛形です。
最も大切なのは、自店の経営スタイルや目標に合わせて最適化することです。
例えば、ランチとディナーで客層が大きく異なる場合は、時間帯別の売上や客数を記録する欄を追加すると分析の精度が上がります。
また、日報を書く目的をスタッフ全員で共有することも重要です。
「なぜこの項目が必要なのか」「このデータを何に使うのか」を理解することで、より具体的で価値のある情報が集まるようになります。
営業日報を活かすためのポイント
営業日報は、書くだけで満足してはいけません。
記録したデータを分析し、日々の店舗運営の改善に繋げてこそ、その真価が発揮されます。
ここでは、日報を「未来の売上を作るためのツール」として活用するための3つの重要なポイントを解説します。
日次損益を把握する方法
日報で売上だけを管理していると、その日にどれくらいの利益が出たのかが分かりません。
正確な経営判断のためには、売上から原価(食材費など)と人件費を差し引いた「日次損益(粗利)」を把握することが不可欠です。
日報にその日の仕入れ額とスタッフの総労働時間を記録する欄を設けましょう。
あらかじめ設定した目標原価率や人時売上高と比較することで、日々の利益状況を管理できます。
これにより、食材のロスや人員配置の無駄にいち早く気づくことができます。
データをスタッフと共有する工夫
日報は店長やオーナーだけが見るものではありません。
スタッフ全員で共有することで、チーム全体の目標意識が高まり、改善活動が活発になります 。
朝礼や終礼で日報の内容を共有し、「昨日は目標達成できた理由」や「今日意識すべきこと」などを話し合う時間を作りましょう。
成功事例を共有すれば、良い接客や調理のノウハウがチーム全体に広がります。
逆に、クレームや課題を共有すれば、再発防止策を全員で考えることができます。
日報をコミュニケーションツールとして活用することが、強いチームを作る鍵です。
売上分析や改善につなげる流れ
日報データが蓄積されたら、定期的に分析を行い、改善のサイクル(PDCA)を回しましょう。
日々のデータから「仮説」を立て、改善策を「実行」し、その結果を再び日報で「検証」し、次の「アクション」に繋げることが重要です。
ステップ | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
1. 分析 (Analyze) | 日報データから傾向や課題を発見する | 「水曜日のディナータイムの客単価が低い」 |
2. 仮説 (Hypothesize) | 課題の原因について仮説を立てる | 「セットメニューがないため、追加注文に繋がっていないのでは?」 |
3. 実行 (Do) | 仮説に基づいた改善策を実施する | 「水曜日限定のドリンク付きお得なセットメニューを導入する」 |
4. 検証 (Check) | 施策の結果を日報データで確認する | 「セットメニュー導入後、水曜日の客単価が平均5%向上したか確認」 |
da Vinciで営業日報をシンプル化し、現場と本部をつなぐ
毎日の日報作成とデータ活用、重要だとわかってはいても、継続するのは大変です。
特に、手書きやExcelでの管理には、入力の手間や集計・分析の難しさといった課題が伴います。
こうしたお悩みを解決するのが、日次PLツール「da Vinci」です。
「da Vinci」は、飲食店の煩雑な日報業務をDX化し、経営改善を加速させるためのツールです。
現場スタッフの負担を大幅に削減しながら、経営者はリアルタイムで正確な経営状況を把握できます。
数字入力は不要、売上データは自動反映
「da Vinci」を導入すれば、POSレジの売上データが自動でシステムに連携されます。
そのため、スタッフが閉店後に売上金額や客数を手入力する必要は一切ありません。
入力ミスがなくなるだけでなく、日報作成にかかる時間を劇的に短縮できます。
ある焼肉店では、「da Vinci」導入後、締め作業の時間が2日間から半日にまで短縮されました。
これにより生まれた時間を、本来注力すべき接客サービスの向上や新メニュー開発に充てられるようになります。
スタッフは「本日の気づき」だけ記録すればOK
「da Vinci」では、売上などの数値データは自動で集計されます。
そのため、現場のスタッフに記録をお願いするのは、その日の「特記事項」や「気づき」といった定性的な情報のみです。
スマートフォンやタブレットから簡単に入力できるため、スタッフの負担を最小限に抑えながら、価値のある現場の生きた情報を集めることができます。
全店舗のデータをクラウドで一元管理
複数店舗を運営しているオーナーにとって、各店舗の状況を正確に把握するのは大きな課題です。
「da Vinci」はクラウドシステムなので、全店舗の日報データを一元管理できます。
本部にいながら、各店舗の売上状況や日次損益をリアルタイムで確認・比較することが可能です。
これにより、店舗ごとの課題が明確になり、成功事例を他店舗へ横展開するといった、グループ全体の売上向上に繋がる戦略的な判断が迅速に行えます。
本部と現場が同じ数字を共有し、改善スピードを加速
「da Vinci」の最大の強みは、経営者から現場のアルバイトスタッフまで、全員が同じデータをリアルタイムで見られることです。
売上目標や原価率といった重要な経営指標が常に共有されるため、スタッフ一人ひとりの経営への参画意識が高まります。
ある導入企業では、スタッフからの提案による改善活動が活発化し、顧客単価が10%向上しました。
データという共通言語を持つことで、本部と現場の意思疎通がスムーズになり、店舗全体の改善スピードが飛躍的に向上するのです。
営業日報は「記録」から「改善」への第一歩|まとめ
飲食店の営業日報は、日々の運営を記録するだけの義務作業ではありません。
正しく作成し、継続して活用することで、お店の健康状態を示すカルテとなり、売上向上と経営改善を実現するための羅針盤となります。
まずは、本記事で紹介した必須項目を網羅した日報作成から始めてみましょう。
手書きのフォーマットを活用すれば、今日からでも実践できます。
そして最も重要なのは、日報をスタッフ全員で共有し、記録されたデータから課題を見つけ、改善のアクションに繋げていくことです。
日報は「記録」で終わらせず、チームで「活用」するものという意識を持つことが、繁盛店への第一歩です。
日々の地道な記録と分析が、お店の未来を大きく変える力を持っています。
もし、日報作成の負担を減らし、より高度なデータ活用を目指したいとお考えなら、「da Vinci」のような専門ツールの導入も有効な選択肢です。
あなたのお店に合った方法で、価値ある日報作りを始めてみてください。
営業日報の負担を削減し、経営改善を加速する「da Vinci」
「da Vinci」は、飲食店の営業日報をシンプル化し、現場と本部をリアルタイムでつなぐ日次PLツールです。POSレジのデータを自動で取り込み、売上や客数の手入力は不要。スタッフは「本日の気づき」だけを入力すればよく、負担を大幅に軽減できます。さらに、全店舗のデータをクラウドで一元管理できるため、オーナーや本部は離れた場所からでも各店舗の損益や改善ポイントを瞬時に把握可能です。数字を共通言語として共有することで、チーム全体の意識が高まり、経営改善のスピードが飛躍的に向上します。
導入メリットの一例
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売上データを自動連携、入力ミスを防止
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日報作成時間を大幅に短縮
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全店舗をクラウドで一元管理
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本部と現場が同じ数字を共有し、改善活動を加速
「営業日報をもっと楽にしたい」「データを経営改善に活かしたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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この記事を書いたライター

ダヴィンチ編集部
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